サプリメントアドバイザー資格取得講座からの学び
そんなころ、当時の上司に誘われて、上記の講座に参加します。30歳を過ぎたばかりの僕は、アンチエイジングの「ア」の字も、サプリメントの「サ」の字も恥ずかしながら知りませんでした。ただただ付いて行っただけだったのです。当時は、「サプリメントって、何かを変える魔法の薬かな?」と、そのぐらい知識がありませんでした。しかし、ここでの学びは、サプリメント、魔法の薬の話ではなく、身体の根本を支えるの栄養学の授業でした。
「なぜ栄養学、消化管?歯科医師である自分が?」と最初はかなり戸惑いましたが、何日も学びを進めるにつれて、非常に大切な事に気がつきました。
今まで、歯科治療では、「虫歯を削ること」や「歯石を削り取ること」しか注目してきませんでした。これは多くの歯科医師が一緒です。
しかし、歯や歯ぐきのことだけ考えていても、本当の意味で歯や歯ぐきを「治す=再生する」には、多くの栄養が必要で、極端にいうと毎日コンビニ食、冷凍食品、ラーメンなどを食べている方は、栄養欠損に陥っているので治りません。
そんな栄養が重要であることに気づかされた授業でした。アンチエイジングとは美容だけではなく、健康長寿を叶えるために必要なもの。栄養、運動、休養、心…。
この学びから、徐々に歯の事だけではなく、全身の健康・美しさまで、患者さまの人生を見据えたご説明・ご提案のできる歯科医師を目指すことになり、今につながっています。
心理学の学び、
分院長に就任して
そのような頃急遽、医院の事情から、その職場のトップ、分院長という立場を拝命いただきました。特に希望はなかったのですが、お願いされるのであれば応えたいと、使命感でその立場につきました。当時32歳、急に部下が20人ほどになりました。
33歳、分院長となり20名近くの部下を抱える。
ところが、従業員の中から「あの人にはついていけない。私たちがやめれば他の人も辞めるかもしれない」などと自分を批判する声が聞こえてきました。
気がついたのは、それまでの充実した仕事は、気の合う3、4人のチームで行っていたということ。患者さまに喜ばれる結果を効率よく出せていたということ。自分は悪くない正しいことをしている。
自分にとって、周りからの批判は心外で、始めは怒りや悲しみ、苦しみを感じましたが、次第に「自分に問題があるのではないか」や「自分が変わらないといけない」と気づき、「みんなと一緒に仕事をしていくってなんだろう?」、「自分はコミュニケーションとは気の合う人と楽しく盛り上がってしゃべれることだと勘違いしていた」、「多様な人とのコミュニケーションを学ばなければならない。そして、この組織の皆を幸せにして、満足させなければ、患者様を幸せにすることができない」と悩みながら、体当たりでスタッフ達と関り、泣き笑いながら過ごしていました。
衛藤先生との出会い
分院長になって半年ほど経った頃、日本アンチエイジング歯科学会ビューティーアドバイザー講座に参加しました。
こちらの講座は大阪で2日間、タレントとしてご活躍されている元モデルのアンミカさん、料理研究家のコウケンテツさん、元プロスポーツ選手、理美容専門学校の校長先生など、様々な世界のトップでご活躍されている方が、それぞれのお仕事のお話をしながら、歯やアンチエイジングについて語るという、とても豪華でユニークなものでした。
そのような中で「心に美しさが必要だ」とお話しされたのが、日本メンタルヘルス協会代表心理カウンセラー衛藤 信之 ( えとう のぶゆき )先生でした。
多角的に美を学ぶ中、心の話、心理学、話に引き込まれました。気づいたときには、流れる涙で、周りが見えなくなっていました。初めての体験でした。この先生に学ぼうと決め、日本メンタルヘルス協会への入会を決意しました。